1953年、和歌山県海南市に生まれる。東京藝術大学美術学部油画科を卒業後、1982年にイタリアに渡り、保存修復とルネサンス期の古典絵画技法を学んだ。テンペラと油彩を幾度も重ねる独自の「混合技法」で写実的に描くその作品は、女性の表面的な美しさだけでなく、内面の輝きや精神性を見事に表現している。小川独自の混合技法は、日本画の水彩用テン毛筆を使用し、テンペラと樹脂絵具の中に入り込む光を利用して、透明感を際立たせ幻想的なイメージを構成する。また、光の屈折を利用して、女性像の背景にクロスを浮かび上がらせるという独創的な表現も試みている。フラッタイタリア国内コンクールにおいて、1982年デッサン部門、1983年絵画部門と外国人作家として初めて1位を受賞するなど、日本を拠点に世界で活躍している。

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